※前回のお話
青春?時代のお話(1) - エッセイ的な何かbyルミ (hatenablog.com)
そして、2学期の始業式。
始業式ゆーても、友人たちとは先週の補講ですでに会っているので積もる話もなく。例の帰り道の話をして、同じクラスの男子(以下、I君)と一緒に帰ろうか相談をしてみた。
「危ないから一緒に帰ってもらいなよ!」と友人たち。うう。素敵な友人に恵まれてたのう。
でよ。I君にいつ話そうかよ。
部屋でのイメトレでは、少女マンガらしく、帰り際に突然のお誘い作戦☆を考えていたが。「急に言われても・・・」なんて断られたら困る。
よって、直前になって「話せそうなタイミングがあったら話に行く!」作戦に脳内変更。
しかし、I君は「I」だけにクラスの一番右側に座っている。男子エリアの奥である。
男子エリアは4列ある。この4列を通らなければならないのだ。男子と話すだけで赤面になるウブ喪女がこの難関を突破できるか。やるしかないでしょ。
始業式で学校全体がゆるゆるモードで授業もなく、始業式が終わってから帰りのHRまでがわりと時間がある。
うん。そこで行くか。
そこしかない。
意を決して。
ウブ喪女、4列もある男子エリアを平然を装ってズカズカ通る。
何気に初めての男子エリア。頭がフワフワしてる。
そして頭がフワフワしたまま、I君の席の前で止まる。
「I君(呼び方は中学からのあだ名)、あの・・・ちょっといい・・・?」
なぜか、声が詰まった。そして無意識に周りを見てしまった。
近くの男子たちが黙ってるーーーーー!!!!
しかもみんなこっち見てるーーーーー!!!!
違う!なんかわかんないけど、絶対に誤解されそうなやつっぽい雰囲気!!
「あ・・・えっと・・・話があって・・・」とわたし。(少女マンガか?)
すると、I君が
「じゃ、廊下で話す?」と席を立ってくれた。( 少 女 マ ン ガ か ? )
そしてわたしたちは教室を出て、廊下へ。(オイオイ)
そしてI君にも、先週のハムスター男の話をする。(はむちゃんは何も悪くない)
「もし用事がなければ、今週だけでいいから一緒に帰ってもらってもいい?」
すると、I君は「大丈夫だよ。」と引き受けてくれた。
その日から、I君との帰宅デートが始まった。
帰りのHRが終わって、わたしは友人たちと少し立ち話をする。I君もお友達と話しているようだ。
友人たちとはいつもは下駄箱でサヨナラをしていたが、今週は特別である。
「じゃ、また明日ね!」と教室の席でサヨナラをする。(新鮮すぎる!)
I君もお友達との話を終えて机で「じゃっ✋」みたいなジェスチャーをして、ちょうどわたしと合わせるように教室の後ろのドアで一緒になる。
そして「じゃ、帰ろっか!」とふたりで一緒に教室を出る。
(ねぇ。なにこれ。青春すぎん?)
自転車置場までは無言ではなく、2年ぶりゆえの積もりに積もった話をお互い。
進路はどうするの?とか。(お互い夏休みの補講に出席していたので、四年制目指しているのはだいたい把握していたが)
中学の頃の友人たちとは会ってるの?とか。
でも一番ツッコミたかったのは、I君の成長っぷりだった。
中学の朝礼や集会でいつも隣にいて、身長も同じ154cmだったのに。
いつの間にか、抜かされていて。
「170だよ」と言われたときにゃ「マジか!」と驚いたもんよ。「伸びたねー。わたしと同じくらいだったのにー。」なんて、近所のおばちゃんみたいな反応をしてしまった。
自転車に乗って、広い道路では並走しながらお話して。制服が高校だからか、やっぱりちょっと緊張したりして。
そんな感じで走りながら、いよいよ例の狭い道へ。
「ここか」と、I君。
「そうそう」と、わたし。
道が狭いので、わたしが先に走る感じで一列になって通る。
狭い道は一本道ではなく、途中で左から入ってこれるT字路になっている。左の道はもっと細い。
おそらく左の道に原付がスタンバってたのではないか、とふたりで予測しながらその道を通り過ぎる。
・・・特に問題なし。
そのまま雑木林を抜けて、住宅街へ。
「来なかったね」とわたし。
「そうだね」とI君。
「なんか付き合わせちゃってごめんね。でも本当にいたんだよ。」と、客観的にみると自己肯定感低すぎることを言っているわたし。
「いいよ。しばらく様子見ようよ。」と、どこまでも優しいI君。
住宅街に入るとわたしの近所になるので、自宅の近くでI君とバイバイした。
ふう。今日は平穏だった。
(つづく)