実はわたくし、昔からスピッツが好きでして。
高校時代はちょうど、『ロビンソン』『空も飛べるはず』『チェリー』の三大代表曲が流行していたこともあり、世間全体がスピッツブームでした。なんて、わたしもそれにまんまとハマったひとりである。
大好きなイエローモンキーが解散した20代前半から、邦楽バンドとは離れた生活を送っていたが、30代前半に「スピッツが『さすらい』のカバーをした」という情報を知り、久々に邦楽バンド熱が復活。そして『おるたな』というアルバムに辿り着いた。
『おるたな』を購入したのは、おそらく『花鳥風月』以来だと思われる。10年以上ぶり。時の流れとは・・・。
『おるたな』は、カバー曲やシングルのカップリング曲を収録した、オリジナルアルバムとはひと味違うアルバム。なんていう系統だろう。謎。曲数的にEPではないし。
もともとは『さすらい』に誘われて購入したのだが、それを大きく上回る曲と出会った。
それが、こちら。
『タイム・トラベル』。
どうやら、ドラマの主題歌だったとのこと(疎くてすみません)。
原田真二さんの1978年の曲のカバーなのでスピッツのオリジナルではありません。
わたしの音楽の聴き方は、伴奏(アレンジ?編曲?)と曲から入っていくスタイルで歌詞は正直あまり聴かないタイプなんですが、タイム・トラベルは編曲・曲・そして(珍しく)歌詞のすべてがドンピシャで、初見で一気にすべてを受け止めてしまい、聴いた後の心身の衝撃がすごすぎてしばらく放心状態でした。「なにこれ」と。
なんといっても、イントロのピアノよ。ずるいよねー。イントロにキーボードかドラムを持ってくる曲って耳心地が良くて第一印象から100点満点なのよ。
では、歌詞について抜粋しながら書きたいと思います。
おおまかな内容は、「君」が住んでいる古い館にあるいくつもの部屋で”時間旅行”をするという、個人的感覚で書くと「ショートショートを読んでいるようなファンタジーなお話」。
この『古い館』。他のブロガー様方の考察でいろいろな景観を綴られているが、わたしは初見から『ツタがからみまくっているのに、庭だけはちゃんと手入れしてあってバラなんか咲いちゃっているオシャンティーな白い館』というイメージ。庭に白いテーブルと椅子が置いてあったりして。こもれびなんかも差し込んじゃって。
手招きをする「君」に誘われて、はじめの扉を開けます。歌詞では1番。
スフィンクス、ピラミッド・・・。「君」はクレオパトラの衣装で「時間旅行のツァーはいかがなもの?」とささやく。どうやらはじめは古代エジプトっぽい。
そしてつぎの世界へ。歌詞では2番。つぎ、といっても、2番目の扉とは限らない。そこは聴いてる側のご想像におまかせ的な感じ。
マシンガン、ニューヨーク、チャールストン・・・。「君」はハリウッドクイーンまがいになって「時間旅行のツァーはいかがなもの?」と、甘い吐息とともに。「まがい」と聞いて即「ぷぷっぴどぅー」を連想したわ。どうやら、近代のアメリカらしい。端から端までご苦労様です。
そして、歌詞の3番。最後の部屋へ。
主人公は、宇宙船に乗っているのかな。客観的に地球を眺めている。そして・・・おっとここでやめとこう。続きは歌詞を検索するか、曲を聴いてください。
ここのアレンジは「Cメロに入って伴奏が少なくなる、いわゆるキーになる部分」で表現されています。曲的にはAメロとほぼ同じ。終わり方が違うのでCメロになると思われる。
あたい、ここの歌詞と曲とアレンジがめっちゃ好きなの。だから黙っとく。
ちなみに、古代と近代の歌い始めはBメロです。
そして、現代(東京)に戻るわけですが。その戻ったところは「君」の手の中。手招きされて入って、手の中に戻る。なんだか不思議な歌詞ですね。
そして延々と続く「時間旅行のツァーはいかが?」のフレーズ。
なんとなく、あと味がよろしくないというか、不気味というか。
すごく不思議な歌詞。歌詞というか、物語。こういう詞って好き・・・。
曲については、コードとかわからないので書きたくても書けないのですが、いい曲です(語彙力よ)。
あとアレね、さすが70年代。フレーズの切り替えで「ズチャー、ズチャー」を多用しています。フォークソングとニューミュージックが混ざったような。かっこいいよね。
記事に曲を貼っていますので、ぜひ時間旅行を楽しんでみてください。
『時間旅行のツァーはいかが?』